なんの番組かは忘れたが、漫画『20世紀少年』や『YAWARA!』で有名な浦沢直樹さんが
僕は自分のなかに100万人の読者を想定しているんです
という内容のことをおっしゃっていた。
お仕事の現場において
とか
と言ったレベルの事も含めて、頭の中に架空の100万人を想定して描いているのである。
創作をする者は、言わば脳内オーディエンスという架空の読者に対して、2種類の対応がある。
1:期待に応える
2:予想を裏切る
である。
読者の予想を裏切る浦沢直樹漫画のストーリー展開
1:期待に応えるというのは例えばその作品における人気キャラクターを登場させるといったようなことである。
かと言って、ストーリーの一切を読者の要求通りにしていては、展開のわかりやすい作品になるのは目に見えている。
なので、2:予想を裏切るということを考えることになる。
まあ結局は、作者は
ことに全力で、読者の
ということの期待に応えているのである。
つまり脳内オーディンスを想定し、彼らの様子を見ながら
読者や視聴者が本質的に求めているもの
へと迫っているのだろう。
「遠山の金さん」が名裁きで終わるのも
そこに視聴者の求める痛快さがあるといえるのニャ★
期待に応える・予想を裏切る
1:期待に応える
2:予想を裏切る
は、表現をかえるなら
1:要求を満足させる
2:新しい世界を見せる
と言い換えてもいい。
僕はかつてオンラインで数学の家庭教師をしていたが
基本的に生徒さんが面白いと感じてもらう授業ができたというのが
大抵が1と2を同時に満たすことができたパターンなのである。
相手の困っている問題を解説して理解してもらう
というのは1:要求を満足させるの部分である。
それと同時に、その問題を通して根本的な理解まで見えるようにしてあげられた場合は
より一段高い視点から、自由に解くことが可能になることがある。
そればかりではない。
根本的な概念が感覚として理解できると、日常生活でも理解の助けになることがある。
生徒さんにとっての思いもよらない産物として、この世界への理解が深まる瞬間というのは、教えているこちら側からしても、喜ばしい瞬間である。
それが2:新しい世界を見せるということだろう。
予測を裏切る、新しい世界を見せる
という観点は、脳内オーディエンスを持つあらゆるクリエイターやエンターテイメント配信者が意識していることである。
新しい視点を見せることができる配信
当たり前のことだけれども、多くの人は「お勉強」という言葉に対して
難しい、つまらない、自分はそういうのニガテ
といったイメージを抱いている。
この工房でも『○○の方法を解説します』といった、お勉強になるような内容もお届けしている。
そんな内容を、できるだけ楽しく読んでもらえるように漫画やイラストを添えたりしているのであるが
これはつまり『○○のことをわかりやすく解説してくれ』という訪問者に対する1:要求を満足させるの部分である。
それだけではなく、
別ジャンルからの説明はできないか
その背景に存在する原理を説明できないか
などと考えることで
2:新しい世界(視点)を見せてあげるということも一つの目標に置いている。
俺の知らない新しい世界を見せてくれ!
というテーマは、この話に限らず、あらゆるエンターテイメントの課題だと思う。
僕もブログでの配信を通じて、究極的にはこのような目の覚めるような体験をお届けできればなあと思った次第である。
また、表現でのチャレンジも続けていきたい。
動画を使った表現は、現在取り組んでいるストップモーションアニメの分野においては、まだまだ未開拓なところがある。
そういった表現の可能性というものを実験のようにチャレンジしていきたい。