第1章~色のない時間を知るレッスン~

ご訪問ありがとうございます。

ここでは、パビリアムの作者の現在の活動にいたる物語を漫画にしてみました。

ご興味のある方はご覧ください★

にゃんこ
物語のはじまりはじまり~☆

ひきこもり,漫画
ひざをかかえて、すぎてゆくだけの無音の1日は

自由に描けるはずだったまっしろな画用紙を

ただまるめてゴミ箱にすててしまっただけのような

ムナシイ灰色をしていました。
 

きっとこの四角い空のむこうがわでは、今日も誰かが

大切なひとと、あたたかく笑いあう一日があったのだろう。
 

友達とおしゃべりをしたり、ドライブをしたり、食事をしたり…

大切な人にありがとうと言ってもらったり…

人生のアルバムの1ページを

色とりどりの思い出で満たしていたのだろう。

魔法陣グルグル

この漫画に出会って、僕は思いました。
 

もしも気の合う楽しい仲間と旅をすることが人生だったら、どんなにか素敵なことだろう
 

その後、中学、高校と漫画を描く日々が続き

進路選択の時に、漫画家になろうと親の説得を試みるのですが反対されます。

僕自身が、いわゆる「世の中は甘くない」という恐怖に打ち勝てなかったのです。

そうして僕は、ストレス満載の一浪をして大学へと進学したのですが…

引きこもり,大学生

今、振り返ってみれば僕は

世間や、人の目というものにたいして、

ぼんやりとした恐れのようなものがあったのだと思います。
 

他人の目に対する恐れ

世間に対する恐れ

未来に対する恐れ

働くことに対する恐れ
 

それらの恐れから目を背けようとしていたのでしょう。

そんな日々が1年半ほど続きました。

引きこもりから大学生への復帰

それから3年後…

僕はエジプトにいました。

エジプト

当時友人と、シリア、ヨルダン、エジプトを縦断する旅をしていました。

深夜にタクシーで降ろされたホテルが閉まっていたり、二人して空腹と疲労の結末を迎えたり、

それはそれは険しくも楽しい旅路でした。
 

もちろん、何も僕は大学を放棄したわけではありません。

機会があればまた詳しくお話しいたしますが

とある心理学書籍との出会いによって

僕は自分のなかの時計の針をふたたび進めることを決心したのでした。
 

大学へと復帰した僕は

海外へと赴きボランティア活動をするサークルに所属し

そこでひきこもりだった僕を受け入れてくれる仲間に出会いました。
 

あの頃のことを笑い話にしてくれる仲間のおかげで

自然体のまま、ありのままのこころで、ともにすごす時間を楽しむことができたのです。

友人に夜のクラブに連れていってもらい、初めてのダンスに朝まで汗をかきました。

フィリピンへ趣き、現地の人とダンスを踊りました。

モンゴルで夜行列車の寝台から見上げた満点の星空が

透きとおるような光の川をなしていました。
 

それは、ひざをかかえて窓のむこうに想いをはせていた頃の

かつての自分が憧れていた、おとぎの世界そのものでした。
 

自分のことを受け入れてくれる人と一緒にいるということは

こんなにも心地いいものなのか。

こんなにもやさしくなれるものなのか。
 

灰色だった日常に色がよみがえり、それはまぶしい陽だまりのように

冷えていた僕をあたたかくつつみこんでくれました。

その後、家庭教師にて‥

その後、僕は学生中や卒業後に、家庭教師をすることになるのですが

ひきこもりや不登校の子を指導する巡りあわせが、なぜかよく訪れることになります。

引きこもり,家庭教師

ぼくはまず、こころを解きほぐすというねらいもこめて

僕が大学最初の2年間をゼロ単位のままで、死亡説まで出ていたという話や

復帰した時の学部長とのやりとりなどを話します。
 

そうすると、たいていその子は

ぽかんとした表情のあと、肩の荷がおりたように

安心した表情をとりもどすのです。

引きこもり,復帰

多くの親は、ひきこもりのことを病気かなにかのように

かわいそうな治療すべきもの としてとらえているふしがありました。
 

けれども僕にしてみれば、それは理由があって当然そうなっているのであって

いまの君は、異常でもなんでもなくて、ごくごく自然な結果なんだよ

という気持ちだったのです。
 

体験授業の初日、その子の部屋に入り、顔を見合わせる時

僕はいつも、かつての自分に語りかけるかのように

心のなかでこんなことを言っていました。

(おめでとう 君がいま体験しているそれ たからものだよ)

おまえはいま、じぶんのことをどうしようもない人間だと思っているだろう。

これからさきを、どういきていけばいいかと途方に暮れているだろう。
 

世間の目がこわくて、人の世のなかで生きてゆかなければいけない

働いていかなければいけないと、ちゃんと気が付いているお前は

じぶんのことなんてちっぽけで、毎日ただただ時間を捨てるだけの

どうしようもない失敗の人生だと思っているだろう。
 

でもね、よく聞きなよ。

いまのお前が見ている色のない時間は、宝物にかわるんだよ。
 

その道のりを通らなければたどり着けないところに

行こうとしているんだよ。

星のでない冷たい夜をとおりぬけて

あの道のりを歩んでこなければ

めぐりあうことのない出会いがありました。

とどけることのできない言葉がありました。

手に入れることのできない優しさがありました。
 

色のなかったあの時間はいま

決して意味のなかった物語ではなく

じぶんにやさしく言葉をかけてあげたり

みじかなひとのこころをかるくしてあげるために必要な

闇を知るレッスンだったのかなと今は思っています。
 

さて、それではそろそろ

次への物語へと、ページをめくることにしましょう。
 
第2章~記憶を失ったまこちゃん~

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